全か無か思考(二分法的思考、白黒思想)
物事を極端に捉えやすいのが特徴です
- 完璧にできないならやらない方がいい
- 一度失敗したら、もう二度とうまくいかない(だからやらない)
- 100点か0点という評価基準
二分法的思考は、認知の歪みの中でも特に分かりやすく気づきやすい思考パターンです。
結論から言うと、この思考パターンを完全に「直す・治す」ことはできません。
例えば、テストの結果で90点をとったが100点ではないため落ち込んだ場合、周囲は「たくさん勉強したね」「たくさん努力したね」「100点じゃなくても嫌いにならないよ」「100点じゃなくても怒らない」「結果より過程が大切」などと、当人がどう感じようとも寄り添うアプローチができます。このような対処法は、親であっても可能な支援方法です(ただし、これは改善ではありません)。
放課後等デイサービスなどでは、計画を立て認知の再構成をすることで一定の改善が見られることがあります。
しかしながら、躾や環境などで単純に認知の歪みが生じたわけではないため、テスト以外の場面では依然として二分法的思考に陥りやすくなります。
必要であれば、その都度認知の再構成を試みることになります。
重要なのは、二分法的思考が間違いというわけではないということです。
したがって、必ずしも改善する必要はありません。
また、本人の意志を無視した支援は、支援とは言えず、拷問に近いものになる可能性があることを理解しておく必要があります。
ただし、日本国内の多数派はこの考え方を受け入れにくい傾向があるため、状況に応じて柔軟に考えられるよう少しでも改善を試みることで、社会生活をより円滑に送れる可能性があります。